西南女学院大学短期大学部 学生募集停止のお知らせ
このたび学校法人西南女学院は、2024（令和6）年3月21日開催の理事会において、西南女学院大学短期大学部の2025（令和7）年度以降の学生募集を停止することを決定いたしました。
短期大学部は、1922（大正11）年に創立いたしました西南女学院高等女学校（修業年限5か年）の流れを汲む学校として、1950（昭和25）年学校教育法における短期大学の制度創設と同時に設立し、女性の高等教育の普及や実践的職業教育の場として大きな役割を果たしてまいりました。
西南女学院の建学の精神「感恩奉仕（かんおん ほうし）」を根幹に置き、キリスト教を教育の基本として女子に高い教養を授けるとともに生活に必要な専門の教育を施し、よき社会人を育成することをその目的として、有為な人材の育成に努めてまいりました。卒業生は、3万2千余名を数え各地で活躍しています。
しかしながら、18歳人口の減少と4年制大学志向など近年の社会状況の変化による影響は大きく、全国的に短期大学への志願者は激減しております。そのような状況の中、本法人は短期大学部の今後について慎重に検討を重ねてまいりました。その結果、誠に残念ではありますが、2024（令和6）年度入学生を最後に2025（令和7）年度以降の学生募集を停止することを決定いたしました。
2024（令和6）年度入学生を含むすべての在学生に対する教育、進路支援等につきましては、これまでと同様、全力を挙げて取組むとともに、卒業後の証明書発行の手続き、西南女学院同窓会の活動についても、支障のない体制を整えていく所存でございます。
なお、短期大学部保育科が担ってきたキリスト教保育の理念に基づく保育者養成という使命とこれまで築いてきた実績は、発展的に継承する形で西南女学院大学の幼児教育・保育分野が受け継ぎ、保育者養成に対する社会的要請に応じてまいります。
今後とも変わらぬご支援をよろしくお願いいたします。
2024（令和6）年3月22日
学校法人西南女学院 理事長 向 雅彦
西南女学院大学短期大学部 学長 浅野 嘉延
以上、HPより引用。
１ 法人や沿革
学校法人西南女学院が運営している。同法人は、
・シオン山幼稚園
を経営している。2022年に創立100周年を迎えている。同じ福岡県にある西南学院大学とは名前が似ているが別法人であるが姉妹校である。西南学院大学と西南女学院大学の創立者は同じ船で日本に来た宣教師で、ギャロット宣教師という方を加えた三者で結びつきは強いらしい。1922年に西南女学院を設立している。当時からこの名前で今も同じまま経営されている（個人的にはこういう仲良し仲間的なエピソード好きです）。
大学１、短期大学１、高校１、中学１、幼稚園１を運営している。
２ 地理
大学、短大、幼稚園は同じキャンパスにあり、中学高校も700mしか離れていない近場にある。今回募集停止の短期大学は福岡県北九州市小倉北区井堀1丁目3-5に位置している。
北九州市街にあるものの、小倉駅からバス30分、南小倉駅からバス10分、都は戸畑駅からバス20分と駅からのアクセスは少しある。歩くことはちょっと厳しそうだ。その分閑静な住宅街に存在しているので、学習する環境としては十分なように感じられる。
３ 大学全体のイメージとキャンパスの様子
キリスト教系の大学らしくチャペルなどもあり、きれいに思えるのだが、パンフレットや大学HPからあまりキャンパスの様子は紹介されていないので、防犯上の思慮かと解釈した。
４ 学部学科編成
保育学科（入学定員100名）
短期大学では定番の保育学科で、幼稚園２種と保育士が取得できる。認定絵本士やこども音楽療育士なども取得できるなど差別化は図っている。また、同じ敷地内に附属幼稚園を持っているので実習はやりやすそうに思われる。
５ 募集停止の経緯（と財務）
2020年→2021年→2022年→2023年
保育75→48→54→31（31.0%）
全体40.5%
もともと半数近くの定員割れで、厳しい募集状況だったようです。ちなみに大学の保育士課程も18/30（60.0%）でやはり厳しく、幼保の難しさを感じます。中学高校も定員の半数も満たしていなくて、なかなかの厳しさを感じています。ただ、崇高な目的のために創立された学校なのでなんとか持ちこたえてほしいと思います。
財務ですが、法人全体の財務になりますが、2億2223万の支出超過（＝赤字）で学納金収入に対しての割合が多く（10%くらい）、この先を考えて短期大学部を閉じることにしたのだと思います。単純に計算して、この年の赤字が４年続くと借金経営になってしまうので、なんらかの対策を講じる必要があります。
６ 所感
大学の方では、看護、福祉、栄養、英語、観光など実学に近い内容なので魅力をアピールして、北九州市は人口は多い都市なのでぜひ盛り返していってほしいと思います。
※短期大学部は制度上は大学の一部ではなく、短期大学として独立して認可されています。
