足利短期大学 学生募集停止について
日頃より学校法人足利大学、足利短期大学にご支援を賜り誠にありがとうございます。この度、学校法人足利大学は、足利短期大学の学生募集を令和7(2025)年度から停止することといたしましたのでお知らせいたします。
足利短期大学は昭和54(1979)年の開学以来、「以和為貴」を建学の精神に、教育理念は大乗仏教の教えを根本とし、その実践として「和顔愛語」を掲げ、45年にわたり地域の保育人材育成につとめてまいりましたが、18歳人口の減少、4年制大学への進学志向の高まりなどを受け、今後も学生の確保が難しいと判断し、募集停止とさせていただくことになりました。
この間、こども学科(旧幼児教育科)3975名、看護学科(旧看護科)844名、専攻科197名の卒業生を輩出し、人材育成につとめるとともに、学生のボランティア活動や公開講座などを通じて地域に貢献してまいりました。
今後は、新入生、在学生への教育活動、進路支援を万全に行い、充実した学生生活が送れるよう取り組みます。また、卒業後の各種証明書の発行や、同窓会の諸活動は、学校法人内で責任をもって引き継ぎ、対応してまいります。
足利短期大学附属高等学校及び足利短期大学附属幼稚園につきましては、校名変更(構想中)のうえ、運営を継続いたします。
これまで足利短期大学の運営に、ご支援を賜りました関係者の皆様に心より御礼申し上げますとともに、何卒ご理解いただきますようお願いいたします。
令和6年2月26日
学校法人足利大学
理事長 武 井 全 補
足利短期大学
学 長 末 武 義 崇
以上、HPより引用。
1 法人や沿革
学校法人足利大学が運営している。同法人は、1925年、足利仏教和合会が足利実践女学校を創立する。設立からすぐに仏教色はなく運営されていたように感じる。現在の短大は1979年に設立。
足利大学(工学部300、看護80)、足利短期大学(こども50)、足利大学附属高校、足利短期大学附属高校、足利短期大学附属幼稚園
大学1、短大1、高校2、幼稚園1を運営している。
2 地理
足利短期大学は、栃木県足利市本城3-2120にある。同じキャンパス内に足利大学があり織姫公園のある小高い山の中腹にある。JR両毛線足利駅から1.6km、徒歩22分、東武伊勢崎線足利市駅から1.5km、徒歩21分。地方都市ののどかなほどよく建物のある街並みを行くと見えてくる。有名な史跡の足利学校もすぐそばにある。スクールバスも運行し、車通学も可能。
3 大学全体のイメージとキャンパスの様子
足利といえば足利学校。足利市には学問の名門のイメージがあり、この大学の歩いていける範囲に足利学校の史跡がある。
足利大学自体はそれほど都内では知られていなく、栃木の学生が通学するところであったと思う。特に、短期大学は大学よりももっと地域密着型でおそらく足利市内で完結していただろう。しかしながら近隣に競合校は少なく、桐生大学短期大学部や佐野日本大学短期大学くらいだろう。特色を出そうとしても幼保はカリキュラムが固定化されているためと出しにくく、足利短期大学もピアノ指導や就職実績、特待生制度でなんとか学生を集めようとしていた。
4 学部学科編成
こども学科(入学定員50名/収容100名)
もともとは看護学科も存在したが、それは足利大学の方に吸収され、単科短大として残っていた。
5 募集停止の経緯
2019年→2020年→2021年→2022年→2023年
こども73→76→67→50→34(68.0%)
2024年は35人入学見込み。
定員充足率が全体で60%切ると経営難に陥るといわれる一つの目安があることと、今年度の見込みも35人で立て直しが難しいと判断したのだと思う。定員も100人→75人→50人と段階的に減らしていってなんとか立て直しを図っていた様子は見られるが、それ以上の速さで学生数が減ってしまった。短期大学に関してはもはや社会的な需要減で経営努力とは外部からはとても言えない。
6 所感
おそらく今年度から、加速度的に短期大学の募集停止、閉学が早まると思う。これまでに青山学院女子短期大学、立教短大、上智短大、龍谷短大など名門が閉じることがきっかけになったことだと思う。2023年から2024年2月まで短期大学の募集停止が20校近くになるので、280校がしのぎを削る自分との葛藤になると思う。