2024(令和 6)年 10 月 21日
学校法人赤門学院 電動モビリティシステム専門職大学
令和7年度入学者選抜学生募集の停止について
この度、諸般の事情により令和7年度入学者選抜による全ての学生募集を行わないこととなりましたので、お知らせします。
本学への進学をお考えいただいている全ての方々に、御迷惑をおかけしてしまい、心よりお詫び申し上げます。
学生募集停止に当たっての学長メッセージ
本日、諸般の事情により次年度の学生募集は停止せざるを得ないということを皆様に申し上げることになりました。
これまで、本学への受験をお考えいただいていた方々に対し、このようなご迷惑をおかけする事態となってしまったことを衷心より深くお詫び申し上げます。
本学は、令和5年4月に開学いたしましたが、令和5年度入学試験及び令和6年度入学試験の志願状況が芳しくなかったことが一番の要因で、多くの志願者を集めることができなかった原因は、ひとえに本学の広報活動の至らなさから来ており、本学の認知度が全国の各高校へ浸透しきれなかった点を深く反省しているところです。
設置主体である学校法人理事会において、経営改善策や本学を誘致していただいた山形県飯豊町の御協力を得ながら他法人への承継等について、ギリギリまで模索してまいりましたが、有効な打開策が見いだせず、法人理事長が最終判断を下したところです。
現在在学している学生諸君への教育については、これまで同様継続され、何ら変更がありません。学生諸君全員が卒業するまで教職員一同が学生個々人のニーズに応える手厚い教育を行ってまいります。就職に関しましても、責任をもって学生諸君が希望する進路先へ就職できるまでサポートさせていただきます。
今後、電動モビリティ分野では30万人に上る電動化と情報化の人材が必要になります。このような要求に応えられる専門的内容を学ぶことができる唯一の大学がこの大学です。
また、社会に出てから役立つ能力として1 教室で学んだ理論を実験実習により身体で覚える2 1年の時から研究室に配属し創造力を養う 3 16週間に及ぶインターンを通じて予め、社会の実態を実体験できる教育を特長にしており、社会に出てから特に有用な仕事ができる能力を身に付けることができます。
したがって、どうぞ御安心いただき勉学に集中し、粘り強く卒業まで学んでほしいと願っております。
なお、各高等学校等関係機関には本日付で文書を発送し御説明をさせていただくこととしており、在学生及び保護者への説明会を過日実施しております。
私は学長として、この大学の意味、そして飯豊町にこの大学があることについて非常に価値のあることだと考えておりますので、今後とも皆様のお知恵もお借りしながら考えて参りたいと思っております。引き続き皆様のご理解とご協力をお願いする次第です。
令和6年10月21日
電動モビリティシステム専門職大学学長 清水 浩
以上、HPより引用。
1 法人や沿革
学校法人赤門学院(あかもんがくいん)が運営している。同法人は、
・電動モビリティシステム専門職大学
・専門学校 赤門自動車整備大学校
(・仙台赤門自動車学校(免許の学校))
を経営している。
1949年 東北高等鍼灸整按学校
1951年 赤門学志院に改称
1960年 赤門自動車整備学校を設立(→赤門自動車整備専門学校→赤門自動車整備大学校に改称)
2013年 赤門学志院が解散。学校法人赤門学院と学校法人赤門宏志学院に分かれる
2023年 電動モビリティシステム専門職大学を設立
元々、赤門学志院という一つの財団法人が解散し、2013年に二つに分かれたようです(2010年の創設者國分荘氏の逝去が関係していると想像)。ちなみに、もう一つの学校法人赤門宏志学院は、仙台赤門短期大学、仙台赤門医療専門学校(元赤門鍼灸柔整専門学校)を経営しており、自動車部門と医療部門に暖簾分けしたと考えられます。ここらへんは想像でしかないですが、お家騒動の想像が搔き立てられます。
2 地理
法人(学校法人赤門学院)は、宮城県仙台市青葉区川内川前丁 61 番地にあり、自動車専門学校と自動車学校に所在しています。
仙台駅からは2.6km。
地下鉄国際センター駅からは1.0km(徒歩14分)で十分徒歩で通えます。
しかし、電動モビリティシステム専門職大学は、山形県西置賜郡飯豊町大字萩生1725-2と他県にあり、距離にして114km(車で1時間46分)の距離にあり、なかなか離れています。経営するにしても目も届きにくそうです。
さらに、電動モビリティシステム専門職大学への山形県内でのアクセスもよくなさそうです。
公式はたいてい距離を盛るので、ちゃんとgoogle mapで調べてみます。
距離にして1.8km、徒歩26分でそれほど差異はないようでした。
JR米坂線萩生駅前はまつのえという酒屋さんがある他は特になにもない田園風景が広がっています。のどかで私は青春を感じるので好きな風景です。
電車の最寄りを紹介しましたが、JR米坂線は、2022年8月の豪雨により2024年時点では萩生駅はいまだ復旧していません。代行バスが走っていますが、どちらの方向へも1日7-8本で通学で使うのはなかなか難しいと思います。
通学路はもはや美しいです。歩道もあるので歩けそうではあります。
少し家が増えてきたと思ったら
到着です!徒歩26分です。
3 大学全体のイメージとキャンパスの様子
キャンパスは教育棟、研究棟、実習棟で構成されています。テストコースなども広くとられています。
広々としていますね。
4 学部学科編成
電気自動車システム工学部
・電気自動車システム工学科(入学定員40名)
単科の専門職大学です。1年生から研究室に所属できる、インターンシップに力を入れているなど、教育システム自体は特長を持たせていました。
5 募集停止の経緯(と財務)
2023年→2024年
3→2(5.0%)(単位:人)
充足率が5%なのは経営が厳しかったと思います。実質、2年間しか募集せず完成年度を待たずして募集停止になってしまいました。2人だとさすがにグループワークもできないですね。しかし、きちんと学ぼうと思えば、とても贅沢な環境だといえるかもしれません。
2025年の入試案内がHP上になかったので、おそらく募集すらしていなかったのでしょう。学長の言葉にもある通り、どこかの学校法人へ譲渡することなどを検討していたのでしょう。
財務は、元が専門学校だからか今年度の分は公開されていなくてわかりません。ただ、専任教員23人と職員の人件費も必要でしょうし、校舎の建設費用もあるでしょうし、厳しいと思います。これは同情します。
6 所感
電気自動車関連はこの先、特に研究が必要になる分野だと思われるが、うまく呼び込めなかったのが大変悔やまれる専門職大学でした。専門職大学を作りたかったのは、2013年に袂を分かった赤門宏志学院へのライバル意識だったのか?
これが専門職大学の初の破綻となるのですが、この先、他の専門職大学はぜひうまくいくように応援したいと思います。